書評:「目覚めに向かって」ジャン・ヴェス著("Vers l'eveil a soi-meme" Jean Vaysse)
日曜日の講座内で紹介した本です。和訳はまだ手元にほんの少しだけ残部あります。128ページぐらいの本です。
目次は以下のようになっています。
イントロダクション
問いかけ
第1章 内的人生と外的人生
第2章 自己研究の意味
第3章 正しい自己観察
第4章 人間の構造の簡単な外観
第5章 真の自己観察の条件、手段、意義
第6章 プレゼンスの意味
第7章 センターと機能
第8章 本質とパーソナリティ
第9章 自分自身への目覚めと目覚めの障害
第10章 自己研究の最初のステップ
著者ジャン・ヴェスはフランスの外科医です。フランスでグルジエフの教えを受けていた人です。
この本はグルジエフ思想の平易な入門書になっています。自分を知るということ、自己観察と人間の内的な機能について、基本からわかりやすく説明をしています。
そのうえで本書はグルジエフ思想の中できわめて重要なポイントを初めてあきらかに書いた本として知られています。
ジョン・ペントランド卿によるイントロダクションのなかに、センセーションとプレゼンスについて指摘しているように、これらはグルジエフ思想の中で重要な要素です。
本書は「奇蹟を求めて」の影響もありますが、ウスペンスキーとはまた異なった感覚で書かれており、 この本のほうがはるかに平易に、複数のアイデアの関連を示しています。
プレゼンスについては、一章を割いて説明をしています。さらにアテンションの働きについても解説が興味深いです。
西洋の秘教的な文献としては「ヘルメス文書」などがありますが、間接的で比ゆ的な表現が多くなります。そういったものにあたるよりも、本書によるほうがはるかに重要な基本を直接的な言葉で、示してくれます。
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