「意識の10の階梯」松村潔著
禅の世界で、語られることがある「十牛図」をエニアグラムの視点で、再解釈しているのが本書です。
本書の最初の部分は、エニアグラムと水素論について手際よくまとめられています。さらに著者が長年エニアグラムについて考えたことが書かれています。
エニアグラムならではの循環の考え方、高次の水素にいたる方法論と自己想起との関連が説明されています。
さらにこれが「十牛図」の分析に適用されています。ちょっとこの部分は、こじつけではないかと思いますが、著者が思索を重ねたうえでの一つの試案の提示です。水素論を「十牛図」に適用することによって、 新しい解釈、世界観を提示したという成果ではあります。
禅の世界では問題にされることがない本ではありますが、一つのことを追求する姿勢は興味深いです。
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