西洋占星術と七政四余

西洋占星術と七政四余 東洋に伝わった占星学は、七政四余として独自の発展をしました。

七政四余の命盤の基本フレームは西洋占星術と同じです。判断にも似通ったところがあります。違いは格局や神殺ぐらいです。行運の考え方は、西洋占星術にもありますので、その点は、大きくは違いません。  

紫微斗数は、そのシステムからすると、あきらかに、この七政四余をもとに独自の発展をしたものです。 七政四余は実際の惑星(実星)を用いますが、紫微斗数は、想定上の星(虚星)を用います。 おひつじ座は十二支で戌ですが、これは七政四余のときからそのように定められています。

十二宮の順序が七政四余と紫微斗数では大きく異なります。七政四余の十二宮の順序は、西洋占星術と同一ですが、紫微斗数では大きく異なっています。たとえば、西洋占星術での第2ハウス、金銭のハウスは七政四余でも2番目であるのに対し、紫微斗数の財帛宮は5番目とされています。 

紫微斗数は時代とともに、非常に洗練されたものになり、多くの流派に分かれて、それぞれの技法を駆使して、より精度を上げていると思います。 その点では、七政四余は近年の研究という意味では、どうも実践者の層が薄いためでしょうか。あまり、あたらしい研究がないらしく、古典の記述を重視しているように感じます。近年発見された星の扱いは、どうなるのでしょうか。月の昇交点であるらごう星、計都星は現在の科学の発展により、最新の計算と以前の計算とは位置が異なっています。(ミーン・ノードとトゥルー・ノードの違い)こういったことも七政四余では、何か解決されているのでしょうか。 

 6年ほど前に出た本で、判田格氏による著書『七政四余』があります。日本では、めずらしい七政四余の専門書です。最近、半額の2千円に値下げされて、入手しやすくなりました。判田格氏は、占術としては、始め、透派を長く学んでいました。20代のころは四柱推命で占断していました。当時はいくつかの同好会にも出入りしていたようです。大学を中退後、アルバイトなどしながら、マグレガー・マザース(日本での通称メイザース)のカバラ・アンヴェイルドを翻訳していました。あまり精神的に盤石ではなかったので、時間がかかりましたが、国書刊行会から、翻訳本を出しました。その後に出してきたのが、この『七政四余』です。中国の原本をよく研究して、もともと行われていた七政四余を復元した労作です。  


以上のように、様々な技法、方式がありますが、その方式の適用方法を厳密に守ったうえで、比較研究するのは、興味深いものです。

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