書評(九星術視点版)『日本が生んだ偉大なる経営イノベーター 小林一三』鹿島茂著
『日本が生んだ偉大なる経営イノベーター 小林一三』鹿島茂著
この本は、阪急電鉄、宝塚歌劇団、阪急百貨店を作った小林一三氏の足跡を記録したものです。 この人の着眼点は他の人と異なるところがあり、それがこの人をイノベーターとしています。
ビジネス的観点で、小林一三氏の業績を考えるのは、別の機会にして、今回はこのブログの主題である占星術で分析してみたいと思います。特に今回は、東洋占術として、易と九星術の観点から気が付いたところを書きます。
この人の公開されている生年月日から易卦を出すと「沢山咸」で感性の豊かさが感じられます。
「沢山咸」は恋愛関係の卦でもあるので、結婚前後の恋愛関係のいきさつは、やはりちょっと派手めな出来事があったことが、この本には書かれていました。
銀行に勤めている間は、あまりぱっとしない立場だったのですが、阪急電鉄の前身の鉄道会社の実質的な社長になってから、大きく運が開けてきます。
生まれつきの感性的な能力の上に銀行時代に身に付けた計算能力が付いたことで、自分が描いたビジョンを鉄道会社を通して実現させていきます。
鉄道の事業のなかでこの人の運を後押しすることを行っています。 九星術的な方位を知ってか知らずかわからないですが、小林氏は結果的に生かすことをしています。最初にしたことで運命を開くうえで重要だったのは、宝塚に鉄道を通すことです。
九星術の観点からすると、梅田から宝塚は、小林一三氏の命宮方位です。
この人にとって一生をとおして一番重要な命宮方位に位置する宝塚に温泉施設を作り、さらにその後には、歌劇団まで作ったことが、その後の幸運を呼び入れているのです。
新しい事業を作ることはいろいろな波風が立つものですが、いろいろありながらも、ラッキーのほうに、最終的に転がしていける強さは、ビジネス的な意味での強さもありますが、以上のような九星的な操作も効いていると思います。
これを無意識で行っているのか、その世界を知っているブレーンがいたのかは不明ですが、結果的にそうなっています。
次に行った事業は梅田から西側に線路を伸ばすことです。梅田から今の西宮北口駅にまで路線を伸ばす義業ですが、これもまた小林一三氏の身宮方位に相当します。
事業を展開する中で、命宮、身宮の両方の方位をつかっていることになります。
小林一三氏の九星の大運が特に強い時期(命宮につよい星が回座)に、箕面有馬電機軌道の開通と宝塚歌劇団を作っています。
さらに女子唱歌隊(のちの宝塚歌劇団)を正式に発足する前年(1913年)に、準備と訓練に九カ月がスタートするのですが、この年は、小林一三氏の命宮の位置に「七赤」が巡ってきていました。
「七赤」=「兌」であり、これは「少女」「口に関すること=歌」「人を楽しませること」という象意を持っています。女子唱歌隊にはこの要素がすべて備わっています。このように九星の象意を生かした活動ができています。
ビジネス的な才覚も備えながら、九星術が示す波もうまくいかしているところが興味深いです。
運がいい人というのは、見えない世界の波にもうまく乗れているということです。
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