ダンテ「神曲」の象徴的表現
ダンテ「神曲」の象徴的表現
ロマンス語群の話者は、多くの場合、カトリックの伝統の中で、意識するとしないとかかわらず、生活していますので、この「神曲」には日本人にはうかがい知れない感銘を受けるようです。日本人でダンテのイタリア語がわかる人であっても「神曲」の後半部分の意味が、肌感覚的にわかるという人は皆無であるとおもいます。翻訳であっても、後半まで読み進めることができる人は皆無です。
ダンテ自身によって「神曲」には四つ読み方があるとされています。
第1は文字通りの意味
第2はアレゴリー的、寓話的、象徴的な意味。
第3は道徳的な意味。
第4は神秘的な導きという意味。
特にこの第4の意味が極めて重要です。人間精神の深化、拡大に導くための鍵が描き出されています。
ダンテの導きをするのが、ベルギリウスからベアトリーチェに変わるということは、重要な象徴であり、上方への導きに不可欠な要素を示しています。
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