宇宙の火
宇宙の火に三種類があるとアリスベイリーの「宇宙の火に関する論文」にあります。英文で1200ページ程度の大変興味ぶかい本です。
アリスベイリーの「宇宙の火に関する論文」は神智学的な宇宙論の本になりますが、ここでいう三種類の宇宙の火は人間の生活の中にも反映しています。
三種類の火は以下の通りです。
1.摩擦による火
2.太陽の火
3.電気の火
後ろに行くにしたがって、精妙なものになります。
摩擦による火は、例えば物理的な摩擦、心理的な葛藤、運動によるストレス、こういったレベルで起こる葛藤から生み出される「火」です。まずはこのレベルで人間は活動するところからはじまります。物理的、生理的、心理的なレベルで加わる応力によって、力をつけていくことができます。物理的レベルで意志を鍛えていくことは、人間の健康管理に重要なファクターです。例えば、リズムに合わせて、正確に体を動かす体操や、数をある特殊な方法で数えながら、体を動かすなどの方法があります。
この次元よりも一つ上がった「火」が太陽の火です。これは人間の精神活動の力を「太陽」で象徴されています。摩擦の世界の作用・反作用のような単純な反射的な活動でなく、人間の思考と精神活動、そのものが次の次元の「火」として、霊的に燃えているのです。この火が肉体の脳に伝達されて、脳が活性化されて、再調整がされます。脳は心情的な活動よりも理知的なエネルギーに反応します。知的な活動こそが脳を活性化します。
フランクルの著書「夜と霧」の中で、数を数えることで、精神の安定を保っていたということが描写されていますが、これがまさに意志と知性の働きが人を助けた例です。人間の進化は精神活動、知性と意志によって促進されるのです。
精神活動が高まっていくと、その活動と意志は聖なる愛に基づいた理念に昇華していきます。高次の理念に変わった思考は、個人の肉体の脳を超えて、人類の中に伝わっていきます。これは「電気の火」のレベルです。この理念は、同じレベルにある人たちの知性に影響を与え、極性化、磁化する力を持ちます。
こういった次元にまで、自己訓練し、魂のレベルで燃える火になるのが、人の道です。ヒトは神道で「火がとどまる」からヒト(火止)です。
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