ティマイオスの宇宙論

プラトンが書いたティマイオスの中で語られていることは、ピュタゴラス的な世界観の影響が色濃くあります。 

プラトンはピュタゴラス的な思想に関心が深かったので、その影響がこの著作には、色濃く出ています。 

本書の構成は対話をベースにしています。実際の会話ではなくて、プラトンの創作としての対話です。 対話している人のうちに一人は、ソクラテスです。しかし、ソクラテスにピュタゴラス的な世界観を語らせるわけにはいかないので、ティマイオスが語る形で、話が進んでいきます。 


 宇宙の生成がロゴスと知性によって、より根源的なイデア的存在の似像として作られたとされています。 これは西洋の神秘学的な宇宙論の元となった考え方です。 

さらに円運動の仕組みを「同」「異」「有」というイデア的存在のはたらきとして語っています。それが惑星の動きとも関連付けられます。 


 元素と五つの立方体の関連が書かれているのは、このティマイオスです。五つの立方体の視覚化の行法は以前から西洋では行われてきましたが、その方法の始まりは、このティマイオスが影響しています。 


 以上のように西洋の神秘宇宙論の基礎となっているのが、このティマイオスですので、西洋系の神秘思想のことを学ぶ人にはマストの書籍です。