スフィンクスの意味するもの(「ベルゼバブの孫への話」をベースにして考える)
グルジエフの著書の「ベルゼバブの孫への話」はSF的な話の中に古代の人類の歴史や宇宙法則の説明が織り込まれているという内容です。
この本の第23章に、アトランティス時代に人間としてあるべき正しい方向に向けて目覚めることを目指している集団としてのアカルダン協会の設立のいきさつや、その活動について描写しています。
アトランティス時代のサムリオスという都市に、そのアカルダン協会の建物があり、その向かい側にあった彫像が、いまでは「スフィンクス」として知られる像です。この像はアカルダンの人々が目指す精神の特性を象徴しています。
その彫像は寓意的な生物の体が合成された形をしています。胴体が牡牛、背中には鷲の翼、頭は人間、ライオンの足から成り立っています。
それぞれの動物は人間の精神として持つべき特性を象徴しています。 牡牛で象徴される特性は、たゆみない努力によって新しいものに生まれ変わらせることです。
ほかも三つにもそれぞれ象徴するものがあります。
そして、それぞれの動物を接続するのは「琥珀」であるとされています。 ここで出てくる「琥珀」は絶縁物です。「ベルゼバブの孫への話」にはこの琥珀について、公平な態度であることをあげています。
これはグルジエフの教えの中の「セパレーション」という概念であり、「まさに住するところなくして、その心を生ぜよ」という禅の言葉と対応することです。
これはさらに言い換えれば「フローティング」の精神のことであると思います。現実の地上にしっかりと生きながらも、フローティングの精神を持つということが、この像の中の一つの意味です。
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