『般若心経講話』　巽直道著

般若心経のなかでは、「般若波羅蜜多」を行することと「真言」を行することが、別のことではなくて、同一の様にもとれる記述になっていて、とてもトリッキーなのですが、本書では言葉の力に重点を置いています。 

本書では法華経にある記述と般若心経を結びつけようとしていますが、その論拠は法華経を原文から訳した翻訳文からするとかなり無理があります。法華経との結びつきは、実際のところ考える必要はなさそうです。 

 本書の特徴は、著者の主張の実証ができているところです。 

『般若心経講話』のなかでは、言葉の力の実証として多くの病気の治癒の報告が掲載されています。

 昭和の時代に出た本なので、実際に治った人の実名と住所まで出ています。 実際に効果があったのは実際に、実行した人です。本書の方法はとてもシンプルです。 

純粋に実践した人の記録として本書は、興味深い内容になっています。