宇宙論のなかの「人間原理」と卜占について
最近の宇宙論について解説している本を読んでいます。(「なぜ宇宙は存在するのか」野村泰紀著)
その中に「人間原理」について、無数に異なる宇宙が存在することの可能性と関連付けて説明しています。 この宇宙は理論値と大きく異なる「真空のエネルギー密度」の世界であることが観測上わかっています。
現在観測されているとても小さな真空のエネルギー密度でなければ、この宇宙の構造が作られていないはずなのです。 今、人間のような存在を生み出す世界になっている奇蹟はそのとても小さな真空のエネルギー密度であるからなのです。
なぜそんな数字の密度であるのかは、多くの宇宙が存在するというマルチバースの理論で、説明を現代の科学ではしています。
これは人間の側が影響を与えるのではなくて、そんな初期条件だからそれに見合った世界になっていて、そのうえでそれを認識できる存在も発生したということです。これは地球の環境が、高等生物を生み出すのに、とても都合よくできているように見えるのと同じことです。
宇宙論のこういったところと、占術の卜占の世界とつなげるのはちょっと、おかしいかもしれませんが、 卜占の「方法の緩さ」、「初期設定が人によって異なっても、占断自体は正しくだせる」という事実ととても良く似ています。
ひらたくいうと、コインの表をどっち側に決めるのかは、自由であって、決めたとおりに、得卦して、適切な占断ができるということは、占者ごとにマイワールドがあって、その中で占断が完結するということと考えることができます。
マルチバースとは、本来は、そんな人間的な世界観とは違う世界ですが、人間界の中にも小さく反映しているような気がします。
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