占星術の誕生 (オリエント選書) 矢島文夫著
「ギルガメシュ叙事詩」の翻訳など、古代オリエントの研究者である矢島文夫氏が書いた占星術の起源に関しての著作です。
占星術の起源とされるものの一つ、バビロニアの周辺で発生したと考えられる占星術のながれについての専門的な解説をしています。占星術を含む「カルデア人の科学」は60進法の起源でもあり、その後の数学や天文学の始原でもあります。
バビロニア12宮ホロスコープについて、その内容を具体的に紹介しています。 これは、今に伝わる十二宮とは半分ぐらいは符合しているところがあります。 ギリシャに伝わった占星術にはこのバビロニア12宮ホロスコープがかなり影響していると考えられます。
そういったバビロニアあたりで発生した古代の占星術がヨーロッパに伝わって、中世から近世にかけてどのような変化をしたかまでをたどっています。
占星術の起源に、インド占星術がどのように関与しているのかは、現状では諸説あって、はっきりしないところです。
楔形文字でかかれたホロスコープが残っているという点で、バビロニアのほうに、占星術が先にあった可能性はあります。
かなり古い本ですが、わかっていることからしっかり、占星術の起源とそのあとの流れを追っていますので、参考になります。
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