アンドレ・バルボー氏の「惑星サイクル」の日本語翻訳が今月出版されました。

以前に紹介したアンドレ・バルボー氏の「惑星サイクル」の日本語翻訳が今月出版されました。 

この本は、アンドレ・バルボー氏が惑星周期の研究を長年して、その成果をまとめたものです。 


 惑星サイクルとして、木星以遠の星、相互で作られる惑星サイクルと、歴史上の出来事が関連付けされています。 

各惑星の組み合わせ(例えば、木星と天王星など)のサイクルが、どのように人間の社会の流れと呼応しているのかを 説明しています。 歴史の大きな波の動きを示しているかのようです。 


惑星の組み合わせとしては、木星ー土星、木星ー天王星、木星ー海王星、木星ー冥王星、土星ー天王星、土星ー海王星、土星ー冥王星、天王星ー海王星、天王星ー冥王星、海王星ー冥王星を扱っています。 


 原書はフランス語ですが、この日本語版は英語版からの翻訳の様です。 

実際にこの翻訳本を読んでいくと2~3ページに1か所か2か所つまずくところがあると思います。 

話がつながらなかったり、意味が不明瞭になっているところがあります。 

じつはこれは、原文の問題ではなく、翻訳によるところが大きいです。意味が逆になっているところもあります。 


 英語版の内容と比較したうえで、例をあげます。

 41ページ 「かつての敵を友としたのは、コンジャンクションの時であった」とありますが、

  ここは、本当は、「コンジャンクションの時には敵だったが、その後、オポジションの時に、結びついた。」というのが原文の意味です。意味が逆になっています。惑星サイクルのなかで敵対から、共同体に変わっていくプロセスをいっているのです。 


 53ページ「質的なことより量的なこと」とありますが、ここは、本当は量的なことより、質的なことが重要だといっているのです。 

質的なことを重視するのだから、そのあとに続く文「事実、出来事を比較してみると、その性質は驚くほど似ている」と続くわけです。ここは翻訳が逆になっています。 


 18ページ ここでは、「二つのコンジャンクションはたがいに正反対に位置するため」とあります。 

しかし、実際にはこんなことは起こりません。ありえないのです。

このパラグラフは、この翻訳のままでは、何を言っているのかがわからない人が多いと思います。実際、英語版を読むとこの部分はすんなり理解できます。

正・反・合が、占星術的になにに対応しているのかは、英語版かフランス語原文をあたれば理解できます。 


 18ページの最後の行から続くパラグラフの意味も翻訳文から、読み解ける人は非常に限られると思います。原文を読んだ人は、このパラグラフが意味していることを図式化できるのですが、日本語版からはかなり困難だとおもいます。 


 以上のように、かなり読者を選ぶ翻訳になっています。   

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