『図説 カバラ世界入門』ハレーヴィ著
いわゆるクリスチャンカバラの生命の木を用いた内奥の教えに関する解説書です。
クリスチャンカバラは「セフェール・イエツィラー」などと比較すれば、 かなり新しい考え方なのですが、本書では伝統的な教えとして扱われています。
図版が多く用いられていて、理解を助けてくれます。
入門とタイトルにありますが、本当は先に他の入門書を読むのがいいと思います。
本書の特徴は、内容の網羅性と図番による可視性が優れているところです。 しっかりした読解力さえあれば、本書だけで、一般的にカバラという名で知られている 事を知ることができます。
特に重要な実践のところでは、「コンテンプレーション」について解説がされています。
「コンテンプレーション」は非常に重要な概念ですが、本書に書かれた「コンテンプレーション」は 人間的な思考の領域のこととして、扱われています。
この「コンテンプレーション」については、イスラム世界の秘教でも重要視されていることであり、 中国思想の中では、使われる言葉は異なりますが、同じ原理が適用されている文脈が古典の中に出てきます。
内奥の教えへの鍵のいくつかをこの書の中で見つけることができます。
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