仏陀と二人の弟子の話

一人の弟子が釈尊に自分がいつ悟れるのかと聞いたところ、釈尊はあと十回の転生の後であると答えられた。その弟子はそのあまりにも長いのに声をあげて泣いた。もう一人の弟子が同じ質問をしたので、あと千回の化身後と言われた。その弟子は喜びのあまり飛び上がった。その瞬間に悟ったというのである。後者の弟子は時間の要素の概念を超えて千回の転生を超越して、直ちに悟道したのである。そこに行くという概念の代わりにそこにあるという概念を得たのである。 


以上は林鐵造編「真理の書」(117ページ)のなかに取り上げられている話です。 

この言葉の出典がどこなのかが不明で、もしかしたら創作の話なのかもしれませんが、この話が示していることは、真実を含んでいると思います。すでに達成しているというところに自分をおいて、到達点から始めるということが、この話が伝えようとしていることです。

到達点から遠く離れた自分という価値観では、いつも不足や未熟を、意識することになり、目標をさらに遠ざけてしまいます。神性はすでにあり、探すものではなく、神性を今ここで、発現させていこうとすること。これが行うことなのだということでしょう。 

禅の世界でも、瓦を磨いて鏡にしようとする「南岳磨甎」という逸話が残されています。上記と同様のことがその逸話が示していることです。


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