固定観念の発生メカニズム

「ところで私たちの心は常に、古い記憶にこびりついて、一定の形とリズムを持ち続けています。そして体験したことが瞬時に心に反映して、その心証の映像が大脳の記憶巣に特定の電圧を与えます。これが記憶と呼ばれる印象付けの働きです。私たちはこうして幾重にも積み重ねられた過去の記憶を頼りにしながら、新しい事柄に立ち向かうのです。その結果、全く新しい事柄に出くわしても、古い記憶によって反応し、照合し、整理して、結局古い記憶の一部分として再記憶するーつまり納得するーことになってしまって、新しい事柄の持つ、新鮮な価値を理解しないのです。」 

健康塾 ー病める心からの解放ー 木村裕昭 著 創元社発行 1982年 95ページ 


 以上の引用にあるように人間の心の働きによって、観念化が起こって、その人なりの観念の固定化が起きてしまうというメカニズムになっています。固定観念ができてしまうともう自由な精神の活動が失われてしまいます。これが神秘学でいうところのエレメンタルを作り出すことであり、固定観念が強くなればなるほど、その人の本質は、エレメンタルの支配を受けることになります。エレメンタルの支配を受ければ、もはや精神の自由な活動はできなくなります。 

「参同契(さんどうかい)」で説かれている「無自性」を実証することは、本来の内奥の「魂」の視点、ソウル・セルフエピグノシスの本質に目覚めることです。機械的な自動反応をする記憶の集積以上の存在がそれぞれの人の内奥にあるのです。  


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