易経におけるコンテンプラチオ(contemplatio)
西洋世界のなかでいわれるコンテンプラチオ(羅語contemplatio、英語のcontemplationの原語です。)は、意識の深層、最奥部での認識を可能にする心の働きです。
英語のcontemplationはもちろんこの意味を引き継いでいます。ダスカロスの著書の日本語翻訳のなかにこの言葉が使われますが、元の意味を伝えることのない言葉に置き換えられています。
このコンテンプラチオの意識状態でもって、易が示すものに近づいていくときのことが、易経の繋辞伝の中に書かれています。
『この故に君子の居りて安んずるところのものは、易の序なり。
楽しんで玩ぶところのものは、爻の辞なり。
この故に君子は居ればその象を観てその辞を玩び、動けばその変を観てその占を玩ぶ。
ここをもって天よりこれを祐け、吉にして利ろしからざるなし。』
コンテンプラチオの状態から易の象意、辞の出所の普遍的な原理の把握をするということです、
こういう高い認識に達すれば、最後の言葉のように、物事が正しく進んで、天にたすけられ、正しく良い方向に進むということをこの言葉は示していると思います。
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