宇治拾遺物語にある夢を買う話

宇治拾遺物語に「夢買人ノ事」という話があり、吉備真備が他人のみた出世するという吉夢を買い取り、あたかも自分のみた夢であるかのようにかたり、それを夢とき女に解かせて、出世するという予言をさせて、そして結局、大臣にまでなれたという話です。 

柳田国男の「初夢と昔話」にも夢に関する同様の話が収められています。 

徳川家康も他人が見た天下をとる夢を買い取ったという話も伝えられています。 

何かを夢見ることと、それを手に入れることは同義語なのです。そしてさらに夢を「買い取る」ということまであり得ることとして描かれています。 


神智学用語でいえば、これはアストラル界の階層の中に夢は事物として存在しているので、その夢が存在しいることを知り、その夢と自分と結びつけて、さらに、夢解き、夢あわせを加えることで、自分の将来として確定させてしまえるということが古来、知られていました。 

結びつけるのが、「買う」という行為であったり、人が見た夢をあたかも自分の見た夢であると思い込み、正確にトレースして語ることで、自分のものにするという刷り込みの方法であったりします。


アストラル界では、空間の境界があいまいになるので、個人のアストラル体の中の印象を他の人の中に移植することが可能になるということです。 

 

ここでポイントは夢あわせを適切に行うことです。夢の中のシンボルを適切に読み解く能力が 必要です。象徴の意味は人によって、異なります。「夢辞典」のようなものがありますが、シンボルがその人にとって意味するものは個人差があります。そのために自分の夢の中で、夢であると気が付くということが最初の一歩になります。  

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